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矢口社長の原子力発電所と廃止措置

参考:矢口敏和

原子力発電所の寿命を定義することは難しいものですが、一般に、運転開始から30年を経過した原子力発電所では、機器や設備に劣化が生じるおそれがあるため、補修や交換などをより慎重に行ったほうがよいとされています。

年数が経過した原子力発電所であったとしても、定期検査をはじめとする国のチェックに合格すれば、まだ安全に運転できる状態ではありますが、一般に原子力発電所が商業ベースでつくられたものである以上は、補修などのコストが発電のメリットにつりあわなくなってくる可能性も生じます。

こうした物理的な劣化や維持するためコストの観点から、現在稼働中の原子力発電所も、いつかは運転を停止しなければなりませんが、これを廃止措置と呼んでおり、事前に廃止措置計画を国に提出し、その認可を受ける必要があります。

具体的な原子力発電所の廃止措置の内容ですが、まずは炉内から燃料を搬出するとともに、配管の内部などに付着している放射性物質についても取り除いた上で、外側にあたる建物を通常のビルの解体工事などと同様に撤去するということになります。

途中で発生した放射性廃棄物についても厳重に管理が求められますが、たとえば圧縮や焼却によってかさを減らしたり、容器にガラスを流し込んで安定化させるなどといった処理をした上での保管となります。

また、放射線からの防護のため、特段に厚みのあるコンクリートや鉄筋を使用しているという原子力発電所特有の事情のために、水に研磨剤を混ぜたものを超高圧にしてコンクリートや鉄筋に吹き付けて切断をするといった、特殊な技術が用いられることもあります。

こうした廃止措置に要する期間は、だいたい20年から30年といわれていて、それだけ安全面に配慮をしながら、慎重に作業を進める必要があることがうかがわれます。

すでに茨城県東海村にあったわが国初の発電用原子炉で解体を終了して敷地を更地化した実績があり、他にも複数の商業炉において同様の作業が進められています。

michidoo in 保険会社 on 6月 17 2016 » Comments are closed.